FXをはじめ様々なトレードでは何かしらの根拠を持ってトレードをしていくものです。
そのために、経済指標や政策金利の発表など実際に起こった出来事を根拠とするファンダメンタルズ分析や、チャートに現れるチャートの形状を分析するテクニカル分析が行われます。
ここではテクニカル分析の一つであるフィボナッチ分析について紹介していきます。
フィボナッチとは?

フィボナッチとはイタリアの数学者であるレオナルド・フィボナッチが提唱したフィボナッチ数列のことです。
そのフィボナッチ数列は以下のような数列のことです。
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377…
この数列はn={(n-1)+(n-2)}という数式で現れされる数列で例えば3の数字は左隣とそのまた左隣の数字の和となっています。
これを延々と繰り返していくと、n-1とnの比率が以下の比率にどんどん近づいていきます。
n-1:n=1:1.618
この法則をレオナルド・フィボナッチは発見しました。
例えばヒマワリの種の配置はこのフィボナッチ数列に基づいて配置されています。
また、アンモナイトやオウムガイの殻のらせんもまたフィボナッチ数列に基づいたらせん模様となっています。
様々な場面で使われている数字
このフィボナッチ数列は自然界のみならず、人工的なデザインにも応用されています。
例えばApple社のリンゴのマークのデザインにはフィボナッチ数列が応用されています。
そしてTwitterのロゴにもフィボナッチ数列が応用されています。
FXでなぜフィボナッチが有効なのか
ここまで紹介してきた通りフィボナッチ数列は自然界で見受けられ、さらに人工的なデザインにも応用されます。
つまり、フィボナッチ数列というのは誰もが本能的に意識してしまっているのです。
これはFXのチャートにおいても同様です。
昔からFXのみならずチャートを描くことができるあらゆるものでは、起点を0%、終点を100%とした時に、フィボナッチ数列に基づく23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%のポイントがレジスタンスラインやサポートラインとなりやすいとされてきました。
FXではトレンドがある方向に向いていたとしても、ずっとその方向に向かっていくわけではなく短期的に調整を挟みながらトレンドの方向へと動いていきます。
この調整の時にフィボナッチのポイントで反発が起こりやすいのです。
最初これは人の本能的なところに依存するところが大きかったのかもしれません。
押し目買いなどを狙っている人が本能的にエントリーするタイミングがフィボナッチに基づくポイントとなっていたのでしょう。
しかし、現代ではこの「フィボナッチのポイントがレジスタンスやサポートとなりやすい」ということがトレーダーの共通認識となっています。
つまり本能的にではなく、フィボナッチのポイントで意図的に注文を入れているのです。
このような共通認識こそが、フィボナッチのポイントでの出来高を増やし、さらにフィボナッチ分析を確固たるものにしているところがあります。
つまり、昔は非意図的にフィボナッチのポイントで反発をしていましたが、現在はフィボナッチ分析が共通認識となっていて意図的にそのポイントで反発するようになっているのです。
フィボナッチを使ったトレード方法

フィボナッチを使ったトレード方法についてですが、FXなどのトレードにフィボナッチが利用されるのは主に大底から天井に到達した後の押し目の場面です。
トレーダーとしては押し目のどこかで再びエントリーしたいと考えます
大底を0%、天井を100%とした時、フィボナッチに基づく23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%のレートに達した時に出来高が多くなります。
そこからさらに調整が入ることもあれば、反発することもあります。そこでのチャートの動きを確認して反発が期待できそうな時にエントリーします。
フィボナッチの引き方

- まずは大底と頂点のポイントを決定します。
- その大底と頂点のポイントを0%、100%とします。
- その大底と頂点の間の23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%のレートを求め、チャート上のそのレートに該当する平行線を描きます。
以上がフィボナッチの引き方です!
エントリー方法
例えば、100%の位置から最初の76.4%まで達したのですぐに押し目買いを入れるということはしないようにしましょう。
もしきちんとチャートに影響を与える機能しているフィボナッチの場合はそこで出来高が多くなってもみ合うはずです。
そこでできるチャートの形状を見てエントリーをします。
この時には分足など短期足を参考に判断します。
反発するのか、それともさらに調整していくのかの判断材料としては以下のようなことが挙げられます。
- 逆三尊形成:上方向へ反発
- 三尊天井形成:下方向へ更なる調整
- 長い下ヒゲ形成:上方向へ反発
- 下値切り下げ:下方向へ更なる調整
つまり、買いエントリーする場合には逆三尊の形成や長い下ヒゲ形成があった時にすればいいのです!
これ以外にもチャートの未来を予測するチャート形状は多くあるので、様々なチャートパターンを覚えておくのが良いです。
ちなみにトレンドの初期や終期には押し目が深くなる傾向があるので、エントリーは慎重に行った方がいいでしょう。
利益確定や損切りにも用いることができる
ちなみにこのフィボナッチは利益確定や損切りにも利用することができます。
例えば、底値(0%)から天井(100%)に到達後に調整が入って、フィボナッチに基づいて61.8%のレートで買いエントリーしたとします。
その後、想定通り反発していって再び100%の天井付近まで戻してきたとします。
すると、この100%は機能しているフィボナッチの基準点となるので必ず出来高が多くなります。
このポイントでは再び調整に動くのか、それとも高値更新していくのか読みづらいところがあるので、一旦利益確定してしまうのも一つの戦略です。
この天井付近でどのようなチャート形状を作り出すのかを短期足のチャートを注意深く見てみましょう。
エントリーの時と同様にここで逆三尊を形成したり、長い下ヒゲが形成されたりした場合にはまだ買いのエネルギーが強いことを示唆しているので、無理に利益確定をせずに持ち越ししてもいいでしょう。
一方で、三尊天井を形成したり、長い上ヒゲができたり、下値を切り下げていくようなチャート形状が観察された場合には売りエネルギーが買いエネルギーに勝っていること意味します。
このような場合はいったん利益確定をして再度押し目でエントリーすることを考えるといいでしょう。
FXにフィボナッチを応用する上での注意点

ここまでフィボナッチを利用したFXのトレード法について紹介してきましたが、フィボナッチはあくまでテクニカル分析の一つにすぎず、これをしておけば必ず勝てるというわけではありません。
いかに負けを少なくすることができるかにはコツがあります。
そこでフィボナッチをFXで利用する上での注意点を紹介していきます。
あくまでフィボナッチはテクニカル分析のごく一部であることを認識する
確かにフィボナッチは多くの大物投資家も重視する代表的なテクニカル分析法で、フィボナッチの法則に従ってチャートが形成されることは多くあります。
しかし、他にもトレンドライン、節目、移動平均線など様々なテクニカルも機能した上でチャートが形成されます。
何が最も重要視されるのかはその時次第なところがあります。
ですからフィボナッチに執着しすぎず、他のテクニカル分析も取り入れた上で取引をしていくことが重要です。
フィボナッチの重要ポイントはあくまで重要ポイントのごく一部なのです
フィボナッチを引く時には長期足のチャートをより重視する
フィボナッチを引く時に短期足でフィボナッチ分析をする人もいれば長期足で分析する人もいるでしょう。
どちらも間違いではないのですが、長期足のチャートでのフィボナッチ分析の方が優先される傾向にあります。
なぜなら長期足の方が短期足よりも、ローソク足一本あたりの出来高が大きいからです。
少ない出来高の場合は大口投資家が大きな注文を入れたら簡単に思う方向に操作してしまうことができますが、出来高の多いローソク足に関してはいくら大口投資家とは言え操作するのは難しいです。
つまり長期足の方がより公平であり、騙しが起こりにくいのです。よって長期足の方が信頼性が高いのです。
フィボナッチが機能しているかどうかをチェックする
自分が引いたフィボナッチが機能するフィボナッチとは限りません。
大底と天井の判断を間違えれば意味のないフィボナッチとなってしまいます。
機能しているかどうかを探るにはそのポイントにタッチした時に反発するかどうかを見るといいでしょう。
反発があればローソク足に長いヒゲが形成されやすいです。
これが見られるかどうかで機能しているフィボナッチなのかを判断するといいです。
もし機能していればそのフィボナッチを参考にトレードすればいいですし、機能していなければフィボナッチを引き直して再度機能するフィボナッチを探していきましょう。
フィボナッチを使いこなして稼ごう!

フィボナッチは自然界にも人間の本能にも通じる法則で、今では立派なテクニカル分析の手法として定着しています。
ただ、自分が引いたフィボナッチが必ずしも多くの人が参考にしているフィボナッチと同じとは限りませんので、機能するフィボナッチを引けるようになる腕が最も重要となってきます。
是非この記事を参考にフィボナッチを元に今後のトレードに活かして見て下さい!
このフィボナッチ数列は自然界のあらゆる現象にもみられる法則というのがすごいところです!