一目均衡表は、日本人が考えたインジケーターです。
FXでも有名で、他のインジケーターにはない独特の理論に基づく売買シグナルを確認できます。
日本で昔から用いられてきたノウハウと海外の投資理論が組み合わさっているため、日本市場と相性が良いです。
1つのテクニカル分析として表示する線が多いものの、実際に注目するべき部分はシンプルになっています。
一目均衡表ってどんなインジケーター?
国内のFX会社にインジケーターとして入っている一目均衡表は、値動きの結果を示すローソク足とセットで扱います。
売買のバランスが崩れた方向にトレンドが発生する考えで作られており、いつ大きな動きが発生するのかという時間の概念を取り入れているのが特徴です。
雲とは
過去の値から算出する転換線と基準線によって先行スパン1と、過去の高値と安値から計算した数値をローソク足の26本の時間だけ未来に移動させた先行スパン2で囲んだ領域が、一目均衡表の雲です。
文字の説明ではややこしいものの、実際のチャート画面では色がついているエリアだから視覚的に分かります。
計算と表示はチャートが行ってくれるので、最初から雲も描かれているのです。
雲は過去に売買が活発であったエリアでもあり、これからの値動きでも急所になる可能性が高いです。
未来を含めて表示するインジケーターはとても珍しく、世界的にも一目均衡表は注目されています。
FXの売買の判断でも雲の形と大きさが重要で、難しい理屈を知らなくても感覚的にトレードできることから初心者にも人気です。
一目均衡表はトレンドと進みやすさが分かる
一目均衡表はトレンド系に分類されており、雲によって進みやすさも分かります。
たとえば、ローソク足が上の雲を抜けたら、強いトレンドが発生するサインになるのです。
雲は過去に売買がよく行われていた関係で、買いと売りの両方のポジションが集まっています。
そのため、現実の雲のように突き抜けるには、多少の抵抗があります。
ローソク足が進む先にある分厚い雲は、そのまま強い抵抗を表しています。
元々、ローソク足と組み合わせる前提で作られたので、一目均衡表の雲とローソク足はよく機能します。
雲が厚ければ警戒を強めて、逆に薄ければ様子を見ながらポジションを継続するという使い方です。
一目均衡表の売買サイン
世界的に通用する高度な投資理論を駆使した売買を簡単に行えるのが、一目均衡表の大きなメリットです。
売買シグナルについても理解しやすいので、FXで損失を抑えつつ利益をできるだけ伸ばすために、基本的な見方を覚えておきましょう。
こうなった時は買いの合図!
- ローソク足が雲の上に抜けた時
- 転換線が基準線を抜いた時
- 遅行スパンが上にあるローソク足を抜いた時
一目均衡表の買いシグナルは、大きく分けて3つあります。
それぞれ単独でも機能するものの、買いシグナルの数が多くなるほど信頼できる上に、トレンドに乗ることで大きな利益を期待できます。
FXの初心者は、下にあるローソク足が上の雲をはっきりと抜いた場合にのみ注目するのも一つの手です。
慣れてきたら他の買いシグナルと併せて判断することで、精度を高められます。
2つ目の買いシグナルは、反応が早い転換線が上にある基準線を抜いた時です。
雲と並んで人気がある買いシグナルで、監視対象にしている投資家が多くいます。
そして、3つ目の買いシグナルが、遅行スパンが上にあるローソク足を抜いた場合です。
3つ全てが揃った状況を三役好転と呼び、最も強力な買いシグナルとなります。
3つ全て揃ったチャートは強力な上昇トレンドの可能性あり!
売りシグナル
- ローソク足が雲の下に抜けた時
- 転換線が基準線を抜いた時
- 遅行スパンが下にあるローソク足を抜いた時
一目均衡表の売りシグナルは、買いシグナルの反対方向へ動いた場合です。
上にいる転換線が下の基準線を抜いた時、遅行スパンが下にあるローソク足を突き抜けた時、そしてローソク足が下の雲を通り過ぎた時の3つとなります。
チャート画面に全て表示しているので、他のインジケーターとは異なり、ローソク足の周囲にある線とエリアを見るだけで判断可能です。
独特の言い回しとして、買いシグナルが出たのを好転した、売りシグナルについて逆転したとも表現します。
売りシグナル3つが全て点灯したケースでは、強い下降トレンドの発生を示す三役逆転です。
1つの売りシグナルが出ても騙しの可能性があるので、全体の形や他の売りシグナルについてもチェックしておくことをおすすめします。
一目均衡表を使ったトレード手法
視覚的に分かる一目均衡表では、エントリーのタイミングが一目瞭然です。
まさに名前の通りで、この使いやすさのおかげで勝てるようになった投資家が数多くいます。
これからどうするのかも判断しやすいから、トレードについての考え方がガラリと変わります。
一目均衡表の設定値
初期設定をそのまま使うのがベスト!
設定値は、初期設定の9と26のままで使うのがベストです。
なぜなら、一目均衡表で正しい売買サインを出すために欠かせない数字であり、そこには波動理論などの奥深い考えが隠されているからに他なりません。
どのFX会社でも一目均衡表の開発者が考えた数字をあてはめているので、素直にそのまま使いましょう。
一目均衡表では時間の概念がとても重要になっており、複雑に描かれている線を全て組み合わせることで過去から未来を視覚化しています。
ゆえに、MACDのようにパラメータをいじって反応を変えることは、逆効果になってしまうのです。
正確に一目均衡表の仕組みを理解している人間は世界中でも少なく、うかつに設定値に手をつけないのが暗黙の了解になっています。
エントリーはどちらかのシグナルが出た時
一目均衡表は、買いシグナルか売りシグナルが出た時にエントリーします。
ただし、3つのシグナルが全て揃う三役好転と三役逆転はめったになく、基本的に1~2つのシグナルのみで判断しなければいけません。
ローソク足が雲の上なら上昇トレンド、雲の下なら下降トレンドと見なして、そのトレンドが継続するのかどうかがポイントです。
全くシグナルが出ていない状態ではエントリーできないので、しばらく時間を置いてからチャートを確認しましょう。
時間軸でも計算しているため、ローソク足が確定するたびに形状が変わるのが一目均衡表です。
チャートを目視確認しながら自分で考える裁量トレードに向いており、使用するのであれば使い続けて習熟する必要があります。
より堅実に行くのであれば中々現れない三役好転のみを狙うのも1つの手!
利益確定は逆側のシグナルが出た時
利益確定は、逆側の売買シグナルが発生した時がベターです。
その理由は利益が伸びる方向とは逆に進んで行く可能性が高いからで、早めに利確することでいったん仕切り直しができます。
一目均衡表の大きなメリットである未来の予想図を活かして、利益を最大化しながらも逃げるタイミングを見逃さないトレードを行いましょう。
しばらくチャートを見ない時間帯ができたら、トレンド転換の前に利確することも勇気ある決断です。
いくら優秀な一目均衡表でも、肝心の投資家がチェックしなければ全く機能しません。
明らかな逆行ラインに逆指値で利確の注文を出しておくのも有効ですが、一時的な値動きで引っかかる可能性についても考慮しておかなければいけません。
損切りはシグナルが消滅した時
損切りのルールは、自分が許容した損失を超えた時か、エントリーの根拠にした一目均衡表の売買シグナルが消滅した時の2つです。
前者は資金管理として破綻することを避けるための損切りで、こちらでは一目均衡表がどうなっているのかは二の次になります。
いっぽう、後者ではエントリーが間違いだったことからの損切りで、大きく逆行される前に撤退することで損失を抑えられます。
一目均衡表では未来が見えるので、例えば買いポジションでまだ含み損だが、この先に厚い雲があって進みにくそうと判断したら手仕舞いする方法もあります。
1つの極みに達している一目均衡表は、小さな損失でとどめることでも活躍するのです。
一目均衡表で有利にトレードしよう!
FXの一目均衡表は、初心者にも分かりやすい売買シグナルを出すインジケーターです。
理論を知らずとも使える上に、線のクロスや雲との位置関係で判断するので簡単にマスターできます。
日本人が考えただけあって日本のトレードスタイルと相性が良く、プロもよく相場分析で愛用しているのです。
トレードで使用するだけなら難しくないから、少額取引で試してみましょう。
逆に、上昇トレンドの下にある雲のように、現在の相場の動きを支援するケースもあるので気をつけましょう。