MACDは、多くのFXトレーダーが利用している信頼性の高いテクニカル指標の一つです。
移動平均収束拡散手法のことで、「マックディー」と呼ばれることもあります。
MAの名が示す通り、移動平均線を活用したテクニカル手法ですが、それをさらに発展させたものです。
MACDは、基本線のMACD、MACDを移動平均化したシグナル、乖離率を示す棒グラフの3つから成り立っています。
通常の移動平均線と比較して、MACDではさらに緻密な分析が可能です。
相場の状況をより的確につかむことができるため、エントリーポイントの判断としてトレーダーの参考になります。
ここでは、5分足でのMACD活用方法について説明します。
この記事の内容
- おすすめのMACDの設定値とは?
- MACDを使ったエントリールール
- MACDの利確・損切りのタイミング

MACDの設定値は中期が基本

基本線のMACDと、MACDを移動平均化したシグナルの2つのラインから、現在の相場状態を知ることができます。
現在の相場状況の把握方法
MACDが下降して、シグナルがMACDを上抜けしている場合は、弱気相場と判断できます。
MACDが上昇して、シグナルを上抜けしている場合は、強気相場と見ることができます。
MACDの設定には、短期、中期、長期のいずれかの選択が可能です。
MACDの設定値
- 短期(期間1: 6, 期間2: 19, シグナル: 9)
- 短期(期間1: 12, 期間2: 26, シグナル: 9)
- 短期(期間1: 19, 期間2: 39, シグナル: 9)
短期の設定値にすれば、売買チャンスの出現が多くなります。一方、長期の設定値では売買チャンスが少なくなります。
より多くのトレードチャンスを得たいトレーダーは短期設定、少ないトレードチャンスで着実に実行したいトレーダーには長期設定が向いています。
設定値は個人のトレード方針によって決めることができますが、デフォルト設定では中期の設定値がほとんどです。
慣れない間は中期の設定がおすすめ
エントリーポイントの数を意識的に変えたい場合は短期や長期の設定値が有効ですが、慣れない間は基本的に中期設定のままが無難です。
トレーダーの多くも、MACDの設定値に中期設定を用いています。
また、MACDは日足や分足に関わらず機能が期待できるため、5分足や1分足で利用することも可能です。
MACDを利用したエントリーポイント

MACDのエントリー条件としては、MACDとシグナルの傾き状況から判断する方法や、棒グラフ(ヒストグラム)から判断する方法があります。
エントリー条件
今回は以下のルールでエントリーを行います。
- ・MACDが0のライン以下の時に短期線が中期線を下から上に抜ける時(ゴールデンクロス)に買い
- ・MACDが0のライン以上の時に短期線が中期線を上から下に抜ける時(デッドクロス)に売り

エントリーの根拠
本来であれば0を起点にして減少傾向であれば売り目線、0を超えてくるようなことがあれば買い目線への転換サインと捉えることができます。
しかし、0を超えた状態から買い始めると既に上昇相場が終わり売りが強くなる傾向が強いので今回はこの様なルールで取引を行います。
5分足でトレードする場合は、1時間足や4時間足などの長い時間でのMACDも参考にして、総合的に判断していくとより精度が高くなります。
利益確定はどうする?

今回は5分足を使ったエントリーなのでエントリー時に10pips利益が伸びたら利確するというルールにします。
5分足だとMACDのみのサインだけでは反応が遅く、サインが出るまで待っていると利益が無くなっていたり、損失に変わっていることがよくあるからです。
利益を伸ばすには棒グラフをチェック
また、利益確定を固定pipsにせずに可能な限り伸ばす場合はMACDを利用した利益確定のポイントは、棒グラフの動きから判断できます。
上昇トレンドに乗った買い注文をして含み益が発生している場合に、そのトレンドが下降トレンドに変わる時を見計らって利益確定することが大切です。
その判断は、棒グラフの数字が減少に転換した時です。
増加していた棒グラフの数字が減少に転じた時は、トレンド転換の可能性を察知することができます。
但し、減少しても0を下回らずに、再度上昇してくることもあります。
これは押し目の状態であり、従来のトレンドは継続していると考えられます。
棒グラフが0を下回ったら利確がおすすめ
しかし棒グラフの数字が0を下回った時は、明確な転換が予想されます。
この時点で利益を確定することがポイントです。
MACDで損切り条件を判断するポイント

トレード条件に適さない状況でポジションを持ってしまった場合には、含み損が膨らんでいく可能性があります。
あるいは、経済に影響を及ぼす何らかの出来事によって急激な相場変化が発生し、想定していた動きと逆方向になる時があります。
この場合には、MACDを見て適切な損切りを行うことが大切です。
棒グラフの数値から、強気相場か弱気相場かを判断するのが最も簡単な方法です。
損切り条件
数字が増加傾向から減少傾向に入った場合は、買いポジションを持っている場合に損切りタイミングです。
数字が減少傾向から増加傾向に入った場合には、売りポジションを持つ人の損切りタイミングです。
まとめ
MACDは、トレンド状態を把握する意味でも参考になる指標です。
ラインや棒グラフが出てくるため複雑そうに感じることもありますが、見方をつかめばシンプルな判断が可能です。
初心者にとっても使いやすい指標の一つです。
MACDの特徴は、通常の移動平均線に比べてゴールデンクロスやデッドクロスのタイミングが早くなる点です。
トレーダーにとっては、相場の状況判断がいち早くできるため、単純な移動平均線を使うよりもさらに適切なトレードが可能になります。
どんな時間足でも利益が出せる様になるにはしっかりとしたチャートの過去検証が必要です。
自分の作ったルールがたまたま通用しているのか、それとも長いスパンでみた時でも通用しているのかが簡単に判断出来るので、過去チャートを検証するツールの使用もおすすめです。