FXをマスターする時に欠かせないのが、移動平均線です。チャートで値動きを分析するためのインジケーターの1つで、初心者が最初に接する分析方法としても有名になっています。
正しく使用すれば、世界的な投資家に匹敵するほどの成績を挙げることも可能です。この記事で移動平均線の基本から実践まで学び、トレードに活かしてみましょう。
この記事の内容
- 移動平均線とは何か?
- 必ず知っておきたい3種類の移動平均線
- 移動平均線を使った3つのエントリーサイン
執筆者:あずきたん
トレードにおける個人裁量は一切省き、徹底したテクニカル分析の過去検証と資金管理で数字からFXを分析。
自作インジケーターの「Azukitan Trend」を作成し、2024/10/23に1億到達。
今まで培ってきたFXの知識や経験を活かし、FXで勝ち続けるためのトレード手法や戦略をブログやX(Twitter)で発信しています!
移動平均線とは
FXの移動平均線とは、指定した期間の平均値をつなげたものです。
初めてFXのチャートを開くと、そこには移動平均線3本が表示されているパターンが多いです。カラフルな線がいくつも描かれている様子は印象に残りやすく、そのままトレードに使用する方が少なくありません。
平均値をつなげた線
点をどんどん多くしていくと画像になっていくのと同じ理屈で、為替レートの動きに反応する1本のラインになります。
点と点の間はラインになるようにつなげているため、隙間はありません。
大きな値動きが発生している場合によく機能するテクニカル分析で、使用する本数でも違いがあります。
7本ぐらい表示させると見づらくなるため、少ない本数でいかに売買シグナルを出すのかを考えることが重要です。
よく使われる設定値
視覚的によく分かる理由から、FXでは3本の移動平均線を使う方法がメジャーです。
設定は20・50・100がおすすめで、短期から長期までの相場の流れを表示できます。
使いにくいと感じたら、調整しながら最適な数字を探してみるのがおすすめです。
1ヵ月の平日の日数はだいたい20で、この数字から押さえると為替相場をよく見通せます。相場理論の基礎となる数字だから、最初に押さえておきましょう。
移動平均線の種類
移動平均線は3種類あるので、それぞれの概要を覚えておきましょう。別に全てを使いこなす必要はありませんが、自分のトレードスタイルと相性が良いものを選んだ方が有利です。
SMA
シンプルに平均値を算出しているのが、SMA(Simple Moving Average)です。
単純移動平均線として、全ての数値を等しく扱っています。一般的な平均値であり、それだけに現状を正しく表してくれます。
綺麗なラインになりますが、トレンドの切り替わりで反応が遅いので注意しなければいけません。
大きなトレンドに強く、騙しが少ないことから、中長期のトレードをする投資家に人気です。
WMA
現在の価格になるほど加重していく計算方法を採用しているのが、WMA(Weighted Moving Average)です。
加重移動平均線と呼ばれており、単純移動平均線よりも値動きに反応しやすくなっています。
急激な値動きに対応できない構造のため、このWMAはあまり使われていません。
中途半端なWMAを使うぐらいならば、基本のSMAか、直近の値に反応するEMAを使うのが、世界中の投資家の意見です。
実際、WMAを紹介しないFXのサイトが大部分になっています。
EMA
現在に近い時刻の数字を重視するのが、EMA(Exponential Moving Average)です。
この指数平滑移動平均線は、急激な値動きによるトレンドの転換をいち早く反映してくれます。
上級者向けのインジケーターになっており、初心者はまずSMAで慣れてからチャレンジするのが賢明です。
敏感に反応するだけに、トレンドの方向をチェックする難易度が少し高くなっているのが特徴です。
経験豊富なプロは基本的にEMAをつかっているものの、形成されたトレンドに順張りする長期のトレードではSMAでもあまり変わりません。
エントリーサイン
FXの移動平均線のエントリーサインは、初心者でもすぐに理解できる内容です。
移動平均線がクロスした時に、その方向に順張りするのが基本になっています。
ゴールデンクロス
よく動く短期の移動平均線が上にある長期を抜いたら、ゴールデンクロスです。
上昇トレンドのサインで、そのタイミングで買っておくと、大きな上昇になる前に仕込めます。
FXの基本である初動で波に乗ることを実行できる買いサインとして、しっかり覚えておきましょう。
上昇トレンドと見なす理由は、過去の値動きよりも直近の平均値が上回ったからです。
値動きが完全に終わってから買うと高値でつかまされるので、移動平均線のゴールデンクロスを参考にすることをおすすめします。
デッドクロス
短期の移動平均線が下の長期を突き抜けたら、デッドクロスです。
下降トレンドのサインとして有名で、売ることで大きな落下による利益を得られます。
チャートが下がっていく場面でも利益を出すためには、このデッドクロスによる売りも身につけておくことが必要です。
下降トレンドについてもフォローできるため、移動平均線がよく使われています。
FXには下降トレンドもあるので、他の投資運用に比べて売りから入る場面が多いです。
日常生活とはルールが違う投資運用の世界では、売ってから買い戻すという柔軟に考えることを求められます。
パーフェクトオーダー
短期・中期・長期の3本が上から短期, 中期 長期と綺麗に並んでいる状況は、パーフェクトオーダーです。
安定したトレンドで、ローソク足が上にある場合は上昇トレンド、逆の場合は下降トレンドとして判断できます。
かなり強いトレンドだから、この形が崩れるまでは強気でトレードすることが可能です。
為替相場でパーフェクトオーダーが作られる機会は少ないのですが、覚えておくと絶好のチャンスを見逃さずに儲けられます。
移動平均線を3本表示させておくのは、この状態をチェックするためでもあります。
実際のエントリーと決済の条件
エントリーと決済は、移動平均線同士のクロスがない場合でも可能です。
FXのトレードでは、ゴールデンクロスなどの明確なサインを待つのかどうかをよく考えてみましょう。
エントリー条件
長期の移動平均線が上向きで推移している場合に、ローソク足が直近の高値を抜いたら買いサインです。
逆は売りサインで、移動平均線同士のクロスに比べて弱いものの、ちょっと売買が偏ったなどの場面で細かく利益を獲得するのに向いています。
移動平均線というインジケーターが全体的にのんびりとした動きのため、タイトな設定にしたEMAで積極的に仕掛けていくか、あるいは、SMAの日足ぐらいの長い時間軸でクロスするまで待つかの二択です。
時間軸によって感覚がかなり違うので、どちらかのスタイルに絞ってトレードする傾向にあります。
上記の様な場合だとパーフェクトオーダー開始から、パーフェクトオーダー直前の高値を更新するタイミングでエントリーします。
利確条件
利益を可能な限り伸ばす場合は、ローソク足が中期足(黄色)を下抜けたところで利確をします。
またトレード出来る時間が限られている方などは時間足を短くし、スキャルピングなら10pipsぐらいの含み益になった時、デイトレードでは1時間ぐらい経って動きが止まった時に利確するのが一般的です。
スイングトレードもデイトレと同じで値動きがなくなった時点での判断になりますが、最低でも数日のサイクルになるので時間がかかります。
自分がトレードをしている時間軸によっては早めの利確になるため、損切りと併せて追及しておくことが大切です。
利益確定はFXで大事なことで、最低でも損切りによる損失を埋められる程度には稼がなければいけません。
どんな時間足でも利益が出せる様になるにはしっかりとしたチャートの過去検証が必要です。
自分の作ったルールがたまたま通用しているのか、それとも長いスパンでみた時でも通用しているのかが簡単に判断出来るので過去チャートを検証するツールの使用もおすすめです。
損切り条件
損切りは、エントリーした時に支えてくれている移動平均線を抜かれた時です。
逆方向へ大きく進む可能性が高いため、自分の願望で戻ってくるのを待つよりも損切りをした方が上手くいきます。
時間軸が短いほど損切りの判断は早くなり、例えばスキャルピングでは5分間含み益にならないだけでも損切りします。
早い損切りとは逆方向に大きく動かれる前の決済に他ならず、初心者が最初に身につけておくべきテクニックです。
最後に
投資運用でよく用いられている移動平均線はFXでも役立つインジケーターで、3本で他の時間軸の動きも捉えておくのが基本です。
どの時間軸でも見やすく、長期のトレンド重視ならSMA、短期トレードではEMAが適切な選択になります。
慣れてくると、移動平均線に引き付けての押し目買いなどの高度なテクニックも習得できるからおすすめです。