テクニカルトレードには移動平均線を始めとした様々なテクニカルツールが用いられます。
そうした手法の1つとして「レンジブレイク」と言われるものがあります。
レンジブレイクはシンプルで有用性が高いため、アマチュアからプロにまで長年愛用されている人気の高い手法です。
ここではレンジブレイクの意味と使い方などを説明していきますので、トレード手法の1つとして参考にしてみて下さい。
執筆者:あずきたん
トレードにおける個人裁量は一切省き、徹底したテクニカル分析の過去検証と資金管理で数字からFXを分析。
自作インジケーターの「Azukitan Trend」を作成し、2024/10/23に1億到達。
今まで培ってきたFXの知識や経験を活かし、FXで勝ち続けるためのトレード手法や戦略をブログやX(Twitter)で発信しています!
レンジとはどのような状態のこと?
為替レートを見ていると、レートは常に上下運動を繰り返しています。
レートは大きく動いたり殆ど動かなかったりしますが、大小のギザギザとした波形を作る特徴があります。
レンジとはこの波の各頂点が綺麗に揃った状態が続くことを意味します。
これに対し、レートが一方向に動き続ける状態を「トレンド」と言います。
レンジブレイクとは?
レンジブレイクとは先程説明した高値・安値の水平ラインをレートが突破することです。
そして、レートがレンジブレイクした時にブレイクした方向に売買を行うのがレンジブレイク手法となります。
レンジブレイクのタイミングでトレードをする理由は簡単です。
為替レートというものは大小の波形を繰り返し描きます。
小さな波が続いた後は大きな波を、逆に大きな波が続いた後は小さな波を描きやすいのです。
つまり、レンジという落ち着いた状態が終わったということは、ブレイクした方向にトレンドが発生する可能性が高いので、そこを狙ってトレードをしかけようという訳です。
エントリーポイント
基本的なエントリーの仕方
レンジブレイクは基本的に最高値・最安値それぞれの各頂点を結んだラインをレートがブレイクしたらエントリーをします。
レートが高値のラインを上抜けたら買い、レートが安値のラインを下抜けたら売りとなります。
とても簡明なルールですが、実際にはこれだけでは上手くいきません。
レートがラインをブレイクしても、再度レンジ圏内に戻ってくることがあるからです。
こうした値動きを一般的に「ダマシ」といいます。
このダマシを避けて損失を最小限にするには、エントリー条件に工夫をする必要があります。
HLバンドを用いたエントリー
HLバンド(ハイロー・バンド)とは、一定期間における最高値と最安値のそれぞれにラインを引いたインジケーターです。
これを用いると現在の相場がレンジなのかトレンドが発生しているのかが一目で確認できます。
HLバンドを用いたエントリー方法は簡単で、一度ラインをブレイクしたらしばらく様子を見ます。
そしてレートがレンジ圏内に戻ってきて再度ブレイクした時にエントリーするのです。
一度目のブレイクで様子見をすれば、かなりのダマシを回避することが可能です。
パラメーターの設定は20日程度が理想ですが、通貨ペアの特徴によって最適値が変わってきますので微調整が必要です。
ジグザグを用いたエントリー
ジグザグ(ZigZag)とは一定期間内の最高値と最安値に点を取り、それぞれの点を1本の線で結んだラインです。
ZigZagはMT4にインジケーターに付属されています。
HLバンドのような水平ラインは引かれませんが、同じようにレンジかどうかの判断を容易にすることができます。
エントリーポイントはHLバンドと同様に、2度目以降のブレイクを狙います。
パラメーターの設定はこちらも20日前後が理想です。
エントリーのタイミングを正確に判断したい場合はMACDを用いるのが有効で、これはHLバンドでも効果を発揮するよ!
レートがブレイクした時、またはブレイクしそうな時にMACDのラインがクロスしたところでエントリーをするのです。
MACDの各パラメーターは初期値のままで良いでしょう。
利益確定条件
基本的な確定条件
基本的なレンジブレイク手法での利益確定条件は、レンジ幅と同程度の幅が良いとされています。
トレンドが発生したと判断できる場合はレンジ幅の2倍程度、強気のトレンドが確認できる場合はレンジ幅の3倍程度を目標とします。
HLバンド・ジグザグにおける確定条件
こちらの場合でも利益確定条件は、基本的な手法の場合と変わりありません。
HLバンドの場合であれば、直近のバンド幅と同様の値幅を狙います。
ジグザグの場合は直近の高値の山と安値の谷の値幅を目標にします。
後はトレンドの強さによって目標値を適度に変更していけば、安定した収益を見込むことが可能になる!
損切り条件
損切り条件は、どの方法を用いた場合でも同じです。
例えば高値側のレンジブレイクでエントリーした場合は、反対側の安値側のラインで損切りします。
HLバンドの高値ラインブレイクでエントリーしたら安値ラインで損切り、ジグザグの安値側の谷でブレイクしてエントリーした場合は、高値側の山が損切りのポイントとなります。
注意点としてはトレードごとにレンジの幅が変わるので、損切りのポイントも変動することです。
損失が大きくならないようにトレード枚数を毎回調節する必要があります。
最後に
レンジブレイクは古典的ながらもシンプルなので、初心者でもすぐに利用できるメリットがあります。
また、他のインジケーターと組み合わせたりすることで、トレードの可能性を広げていくことができます。
利益と損失の比較も容易でリスク管理がし易いので、トレード手法で悩んでいる人は、一度試してみることをオススメします。
画像のように、高値側の各頂点は同じ高さで水平に揃い、安値側の各頂点も同じ高さで水平に揃って特定の価格帯の間を行ったり来たりしている状態がレンジ相場です。