レンジ相場でのトレード手法は、レンジ相場が形成されるメカニズムを理解しておけば恐れるに足りません。
レンジ相場で最も効果を発揮するトレード手法は、逆張りになります。
天井付近に来たら下げでポジションを持ち、底付近に来たら上げでポジションを持つということを繰り返せば、一気に倍々のスピードで利益を積み重ねることが可能となるのです。
執筆者:あずきたん
トレードにおける個人裁量は一切省き、徹底したテクニカル分析の過去検証と資金管理で数字からFXを分析。
自作インジケーターの「Azukitan Trend」を作成し、2024/10/23に1億到達。
今まで培ってきたFXの知識や経験を活かし、FXで勝ち続けるためのトレード手法や戦略をブログやX(Twitter)で発信しています!
レンジ相場とは?
相場は一般的に、レンジ相場が7割、トレンド相場が3割くらいの割合で形成されていると言われています。
取引において大きな利益を上げられるのがトレンド相場である、ということには間違いありません。
しかし、時間的に相場全体の約7割を占めるレンジ相場も重要なポイントと言えます。
このポイントでも利益を上げられる手法を身に付けられるのであれば、活用しない手はありません。
レンジ相場というのは、一定の価格帯を行ったり来た値動きを繰り返す相場のことです。
全ての為替というのは、ある意味においてレンジ相場の中で値動きをしているに過ぎない、ということができます。
例えば、米ドル/円の為替ペアを考えてみれば、それは80円~120円の間のレンジ相場の中で値動きを繰り返しているに過ぎません。
とは言え、そのレンジ相場の中でも短期的に見たらトレンドができていることも事実なのです。
つまり、レンジ相場とトレンド相場の違いというのは、どのスパンで相場を見るのかという時間尺度によって相場の捉え方が変わっているだけ、ということができるというものになります。
もっとより長期で見れば、多くの相場はある価格帯の中でしか値動きをしていないレンジ相場になります。
このレンジ相場の時間尺度に依存しているメカニズムを知っておくことは、レンジ相場を制する上で重要な意味を持ちます。
投資家それぞれの立場によって相場の見方が違う、ポジションの持ち方が違うということを理解しておくことが何より重要です。
レンジ相場で注目すべきたった一つのこと
レンジ相場では、難しいテクニカル指標や知識がなくても取引をすることが可能になります。
重要なことは、今のレンジ相場の天井、底のサポートラインがどこなのか、ということさえ確認しておけばよいということです。
そして、何回目の挑戦を持ってしてそのレンジ相場がブレイクするのかというポイントを知っておくことです。
レンジ相場の値動きのメカニズムを知っておくことは、レンジ相場で安定した利益と勝率を保つ上では重要な要素となります。
相場というのは、売る人と買う人がいて取引が成立していることを忘れてはいけません。
つまり、どんなに強いシグナルが出ていても、どんなにデータ上勝率が高いトレードを行っていようと、自分とは逆の意見の人が常にいて、上げたいと思っている人がいれば、何が何でも下げてやると大きな圧力をかける人もいるかもしれない、ということを忘れないことです。
それ故に、自分の正しいと思っている意見はいつでも覆る可能性があるということです。そして、タイミング、時間軸が違えば失敗するということもあり得るわけです。
値動きで天井や底ができる理由というのは、一方向へ動いていた価格がその反発ポイントに近付くに連れて、逆圧力が強くなり失速をし、その結果今までとは逆方向へ動き出すため、天井や底を形成することになります。
つまり、そのポイント付近には多くの反対方向へ動かそうという注文が待ち構えていることになります。
この注文を全て捌き、ブレイクしない限りはレンジ相場が継続し続けるということになります。
この全ての注文を捌くには、それ相応の時間が掛かります。
例えば、長期的に見て価格が上がることが分かっている相場だとしても、短期的にレンジ相場を形成しているようなら、そのレンジ相場をブレイクするには何度か天井や底のサポートラインへの挑戦を繰り返し、その結果今まで出されていた全ての注文を捌き切ることができれば価格が一方向へ動き出し、トレンド相場が形成されることになります。
エントリーポイントは天井や底付近
エントリーポイントは、天井や底付近のサポートラインになります。

ここで逆張りのポジションを持ちます。底で上げのポジションを持ったなら、天井付近で決済をします。
天井で下げのポジションを持ったなら、底付近で決済をします。
重要ポイント
レンジ相場の天井や底でポジションを持つ上で重要な点は、天井や底には多くの逆圧力の注文が待ち構えているわけですが、その注文も何度も何度も繰り返し価格挑戦をされる度に逆圧力が消化されていくことを忘れてはなりません。
例えば、レンジ相場の天井に1回目挑戦した時には、売り注文が100あるとしても、2回目には70、3回目には50、4回目には20…というように、やがてはその反対圧力が消化され尽くしてしまう可能性があるということです。
100ある時には屈強なサポートラインでも、繰り返し繰り返し価格挑戦をされる度に反発力も弱くなり、徐々に逆方向へ動かす力が鈍化してくることになります。
そして、最後にはブレイクされ、トレンド方向へ勢いよく動き始めるわけです。
ということは、レンジ相場が続いていると言っても、何度も何度も繰り返し挑戦を受けてくると、そのポイントで逆張りをするリスクも増えているということです。
一般的な話ですが、長期的なトレンドに関係なく、天井、底共に2回目のサポートラインへのチャレンジはかなり安全に逆張りをすることができます。

3回目のサポートラインへの挑戦も比較的安全に逆張りができると言えます。
4回目以降は危険度が増します。無理してリスクを取らないことが賢明です。更にもう一歩、リスクを極力まで減らした上でレンジ相場で逆張りを成功させるコツがあります。
例えば、取引の際に5分足を見て取引をしているとしたら、より長期のローソク足、15分足や1時間足、日足などのトレンドの方向を確認しておくことによって、極力までリスクを減らすことができます。
5分足で見た時にレンジ相場が形成されているとし、より長期のローソク足、15分足も1時間足も日足も上昇のトレンドの兆候が出ているとしましょう。
この場合5分足で見ているレンジ相場は、この後天井をブレイクし、上昇方向へトレンドを刻むことが予測されます。
であるならば、天井での逆張りを行う時にはより注意を払って、2回目までの天井挑戦では逆張りで追うが、3回目以降は追わない、というような戦略に切り替えることが効果を発揮することになります。
そして、その代わりにレンジ相場の底に達した時の逆張りを重要視すればよいわけです。
このようにして、レンジ相場では長期的なトレンドの状況を加味した上で、的確に勝率と利益を積み重ねることが可能となるような戦略を取ることが重要だと言えます。
利益確定条件
利益の確定ポイントは、通貨ペアの値動き幅に合わせて○○pipsの利益が出たら決済をする、というルールを決めても勿論構いません。
また、レンジ相場の値動きの理論通り、底でポジションを持ったなら天井付近に来たら決済、天井でポジションを持ったらな底付近に来たら決済、その繰り返しでも構いません。
何れにしても、神経質になる必要はないと言えます。
相場で一番利益を出せるのは、トレンド相場になります。
レンジ相場での戦略は、利を欲張り過ぎず、リスク少なく利益を積み重ねていくことが大切だと言えます。
損切り条件
損切りは、天井や底のサポートラインがブレイクされた時が損切りのタイミングになります。

天井や底でポジションを持つ逆張り戦略を取っていますので、それほど大きな損失被ることなく損切りが可能となります。
レンジ相場のブレイクされる時の値動きについて知っておくと、損切りを行う上で役に立つことが多いと言えます。
レンジ相場のブレイクは、逆方向の注文を全て捌かないと起こらないのですが、例えば天井をブレイクされてトレンド相場が生まれるパターンを考えましょう。
天井をブレイクし、トレンド相場を形成し、チャートが勢いよく上昇を始めるには、ある程度の価格のブレイクが必要になります。
このある程度の価格ブレイクがないと、トレンドに乗る前に失速し、逆方向へ動き出すことがあります。
その時の相場の値動きや通貨ペアにもよるので一概には言えませんが、2~5pipsくらいのブレイクが必要になります。
このブレイク価格が何なのかというと、このポイント付近に損切りポイントの買い決済注文を出している人、トレンド方向へポジションを持つための新規買い注文を出している人が多くいることになります。
それらの買い注文によって、天井ブレイク後、一方向へトレンドができるようになるわけです。
トレンドができれば、また価格の節目節目で損切りの買い決済注文や新規の買い注文が入ってくるわけで、それ故買いが買いを呼び強いトレンドの圧力が生まれてきたりします。
この傾向を頭に入れておけば、損切りは早まり過ぎず少し様子を見てから、しかし、強いトレンドが生まれる前の段階で損切りを行うという重要な損切りポイントが分かってくるのではないかと思います。
最後に
レンジ相場での逆張り理論というのは、難しいテクニカル指標や知識を必要としない分、実に分かりやすく初心者でも利益を取りやすいトレード手法と言えます。
逆に言うと、逆張り理論だけに損切りをしっかりと行っていくことが重要だと言えます。
また、長期の視点に立って、レンジ相場のブレイクの方向がどちらに起こるのか予測しておけば、リスクは極力抑えられるとも言えるトレード手法となります。
短期で見れば、例えば1分足で見ればトレンド相場になっていても、5分足で見ればレンジ相場であるということはあり得ます。