FXは資金の管理と損失の管理をしっかり行うのが基本です。
そういった基準を決める時資金の管理の他に損失の管理に重点を置いて考えた場合、今回紹介するリスクリワードという因子が重要になります。
このリスクリワードについてどういったものかを紹介し、その概要や条件についてまとめました。
これを読めばきっと損失管理の重要な目安であるリスクリワードについて知ることができるのではないでしょうか。
リスクリワードとは
リスクリワードとは、利益の幅の平均と損切の幅の平均の比率のことを意味し、リスクリワードが0に近いほど損大利小のトレードで、大きいほど損小利大のトレードが実現できていることを示すものです。
つまり計算をして大きな数字が出れば出るほどローリスク・ハイリターンの取引ができていると解釈できます。
このトレードの重要性やどういったものがリスクリワードになるのかと言った計算方法、そしてオススメのリスクリワード値や意識することで得られるメリットについてお話ししていきます。
資金を増やすなら高勝率よりもリスクリワードが大事!
リスクリワードを意識するのは重要です。
その理由としてトレードの勝ちの回数よりも一度に出る損失をいかに少なくするかと言ったことがトレードで勝つ目的であり、利益を上げる目的になります。
トレードで利益を上げたいと思った時に大切な要因で、勝率が90%あっても損切りの方が圧倒的に大きかったら意味がありません。
例えば1回のトレードで1,000円程度の利益を出している人が、9勝1敗だったとします。
順調に利益を重ね、9,000円の利益を上げていてもこの1敗で出た損失が10,000円だったらトータルマイナスになってしまうのです。
これが良くあるコツコツドカンだね
逆に1勝9敗のトレーダーであってもその1勝が10,000円の利益を出し、他の9敗がトータルで5,000円程度の損失であれば5,000円の利益を出したことになります。
このように勝敗の数ではなく、いかにトータルで利益を上げるかということが重要なのです。
そういった意味でリスクリワードを意識したトレードは非常に重要と言えます。
リスクリワードの計算方法
この負けた時のダメージが大きいリスクリワードかどうかの計算方法を紹介します。
冒頭でお話ししましたが、この数値が大きいほど望ましい値であるということをあらかじめ知っておきましょう。
計算式は以下の通りです。
リスクリワード= 利益の幅の平均 ÷ 損切の幅の平均
例として、FXの最小単位であるpipsを用いたいところですが、より単純に理解して頂きたいので「円」という単位を使ってお話しします。
3勝7敗で勝ちトレードの合計値幅が300円(平均は100円)、負けトレードの合計値幅が210円(平均は30円)の場合
リスクリワード=100÷30=3.333333…となります。
この3.333333…がリスクリワードの数字です。
リスクリワードは「1:3.333333…」と表現できます。
また、似た言葉にリスクリワードレシオがありますが、この場合は3.333333…を指します。
リスクリワード値が2以上のトレードをしよう!
おすすめのリスクリワード値についても触れていきます。
おすすめの数値は「2」以上です。
この数値であれば、勝率33.3%でもプラマイゼロの収支となるからで、この2を超えることによって越えた分が利益となってくる取引になります。
つまり、一回に勝てる利益が大きい場合か勝率を少し高くすると超えてくる値です。
この2を超えているかどうかを常にチェックしながら進めていくのがオススメと言えます。
ただし、理想的な数字は3以上です。
先ほどの例で紹介した数字は基本的にあり得ないと思っていただいた方が良い位非常に3を出すことはまれと言えます。
3を越える様なトレードはチャートと手法が噛み合っている時しか出来ない!
しかしこの数値に至る取引ができていれば、かなりの利益が出ているといっても過言ではありません。
ただ、3という数字は現実的な数値ではないので、「2」を超えるイメージだけは常に持っておきましょう。
補足になりますが、「1」は何を意味するのかというと、勝率50%で利益の幅の平均と損切の幅の平均が同じ状態になります。
この1を切ると基本的に破産してしまうと考えても考え過ぎではありません。
この1以外は三者三様の考え方があるので、3以上という方もいます。
リスクリワードを意識すればメンタルにも好影響!?
リスクリワードは非常に簡単に計算が出せて客観的に自分のトレードを評価できる損失管理の物差しです。
そのため、リスクリワードが低くなっていれば思い切って損切り出来るということからメンタルも安定を保つことができ、感情に流されることなく冷静な判断でダメージを最小限に抑えることも可能となります。
1回の利益の方が多ければ負けても焦らずにトレード出来る!
リスクリワードを意識するなら水平線のトレードが良い!
為替相場を使った取引でリスクリワードと相性の良いトレード手法はFXのうちデイトレードがオススメです。
スキャルピングでは頻度が多すぎて常時行いたいリスクリワード計算を行うのが不可能ですし、またスイングトレードではあまりに期間が長いからというのがその理由になります。
毎回利確と損切りのpipsが変わるより、固定してしまった方がやりやすい!
また、何回か買ったり負けたりを頻繁に繰り返しているトレード手法の方がリスクリワードとの相性がいいというのもその理由です。
スキャルピングよりももう少し長くポジションを保持して利益を伸ばしていく売買の方法であるデイトレードを行い、使用するインジケーターはスタンダードな一目均衡表が利益の幅の平均や損切の幅の平均が見やすいのでおススメです。
加えて移動平均線でトレンドを見ることでエントリーのタイミングがつかみやすいです。
ただ、慣れてくればスキャルピングでもできますし、スイングトレードでじっくり利用するのも良いと言えます。
また、OCO注文(2つの注文を同時に出して、どちらか一方の注文が約定したら
もうひとつの注文はキャンセルされるという注文方法)を利用する方法で損小利大のトレードを行い、数値を上げる手法もあります。
水平ラインで価格を引きつけてエントリー
リスクリワードは利益の幅の平均が上がりそうなタイミングでエントリーすることでよい数値を出しやすくなります。
また、相場の水平ラインに引きつけてエントリーすることでリスクリワードの数値が改善する状態です。
条件としてはインジケーター上で上昇のトレンドラインと水平ラインを引き、その交点とも言える値の場面でエントリーすることでリワードが高くなり、リスクが低くなる高い値のリスクリワードになります。
こういった条件について少しお話ししていきます。
水平線を使ったライントレードは上記の記事でも紹介しているよ!
利確を大きく!損小利大のトレードを
利確条件としては勝率50%程度を目指して、損切り幅20pips程度のデイトレード利益幅30pips程度で行うことによって100pipsの利益を残すことができます。
また勝率40%程度であれば損切り幅20pips程度のデイトレードで利益幅40pips程度になれば80pipsの利益の確定条件になります。
勝率50%であれば損切り幅のリスクリワードが1:1.5、勝率40%程度であれば1:2というようにあらかじめリスクリワードを設定したうえで勝率を高めるという手法で利益を確定します。
損切りはリスクリワードによって変える
損切り条件はリスクリワード1:1.5であれば勝率30%の時点で損切りを行って手を引くことをおススメします。
例えば、損切り幅20pips程度でリスクリワード1:1.5、勝率30%だとしたら-100pipsとなり、利益が期待できないのでこの時点で損切りを行わないと、一気に20%(-200pips)、10%(-300pips)と2倍、3倍の損失を出すためこの目安で引き上げるのがオススメです。
利益と損失のバランスがとても大事だね!
リスクリワードを意識したトレードで資産を増やしていこう
リスクリワードは損切りのタイミングを知りやすい便利な指標です。
計算も平均利益幅を平均損切り幅で割ることによって出すことができ、1を切ったら完全に破産ということを覚えておけば1.5~2程度でもある程度の利益が期待できます。
リスクリワードを知って最低でも1.5程度を維持することができればFXでも収益を出すことができますから、これからのトレードでリスクリワードを意識したトレードを心がけると資産が増えて行くトレードが始まるかも知れません。
リスクリワードが小さく、1回のトレードで損失が大きい割に利益が少ない取引は、FXにおいて利益を上げるうえであまり望ましくないトレードを意味します。